2012年1月17日火曜日

塞族(サカゾク)(4)



 《塞族(サカゾク)

 《そのとき本当に、日本にサカ人がいたか?

 「それは彼の役目だったからなんだ。

  彼は「塞曹掾史(さくそうえんし)」という仕事をしていた。

 「塞」というのは人種の名で、

 当時の中国語で「サカ族」、

 インド語では「シヤカ族」、

 ギリシャ語では「スキュ・タイ(人)」と呼ばれていた人たちを

 相手にする外交官の一人だったんだよ」

 「へえ!そのころ中国に、そんな外国人がいたの?……」

 「卑弥呼のことを書いた『魏書東夷(とうい)』中にはユーロ(挹婁)という国があって

 その住民を詳しく説明しているから、

 その風俗習慣でその人々がユーロ(ヨーロッパ)人だとすぐわかるよ。

 また当時は西域を

 「塞外(サクガイ)」と呼んでいるので国内に塞族が住んでいたことがわかるのさ」

 「だから、そんな役目があったのね?」

 「その張政が我が国に派遣されたことを、見落としてはいけないんだ。

 それは日本列島にもサカ人がいたという証拠だからね」


 《『伏線』「塞」の使い方と、読者の反応

 5頁は邪馬壹国という国名を魏の政府に報告して、記録に残した人物「張政」とは、

 どういう仕事をしていた、どんな知識をもった人物だったかを、

 その「肩書き」の意味から知ることができるという実例を挙げて、

 その父の研究が過去にないもので、それだけ読んでも興味が沸くが、

 それ以上にこれまでまだ誰も解明した人のいない「塞」の一字が、

 いかに多くのことを教えるか、またその字が魏の政府の「役職名」になり、

 その職についたものが帯方郡になぜ配置されていたかまで理解できるようにしてある。

 その説明には塞族と呼ばれた人たちが仏教の祖・釋迦を出した人たちで、

 それは欧州から東アジアまで分布していた事実を、

 ユーロという国が東夷諸国の中に実在することで簡単に納得させると同時に、

 やがてこのシリーズの中心になる「卑弥呼の宗教=鬼道」の実体が、

 実は仏教だったことへの重要な伏線として、

 疑問の濃さをうすくしておく役目を果たさせる。

 これで張政が、なぜ選ばれて来たのかがわかり始め、

 読者の脳裏に曙の光のようなかすかな光として灯りはじめて、

 それは読者自身の祖先にかかわる問題として、

 強烈な興味を呼び起こし、さらに詳細な、それ以上の情報を期待させるから、

 この後は多少面倒でも読み続けることになる。

 だが鈍感な読者は一度読んだだけでは「面倒だ」としか感じない。

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