2012年2月14日火曜日

漢字の時代別発音(1)



 《地域によって違う漢字の発音
 《地域によって違う漢字の発音

 
 しかしなぜ、こんな重要な事実が1000年以上も不明のままでいて、

 しかもなぜ、加治木義博に解けたのでしょう?。

 それは歴史言語学を応用した私たちのシステム

 「言語復原史学」が威力を発揮したからなのです。

 こういうと何かむつかしそうに聞こえるかもしれませんが、

 それはそんなに面倒な、四角ばった学問ではありません。

 今の中国語では、

 上海をシャンハイと読み、

 香港をホンコンと発音することは、日本でも常識になっています。

 これで漢字の発音は「国によってちがう」ことがよくわかります。

 ところが国が同じでも、

 日本の中でも地域によって発音がちがうことに気づかない人がいます。

 たとえば「大」を、

 関西の人は「オオ」と発音しますが、

 沖縄の人は「ウ」か「ウフ」と発音します。

 またそれを私たちは「ダイ」と音読しますが、

 鹿児島の人は「デ」と発音して、

 たとえば「大根」を「デコン」と呼んでいます。

 この大を「デ」と発音するのは、国が違うのに朝鮮半島でも同じです。

 有名な政治家・金大中さんはキム・デジユンと発音します。

 もっともこのことは、これまでの位宮=神武天皇のお話で、

 もうそれほど不思議でも、奇妙でもなくなっているとは思います……。

 いま私たちに必要な

 『魏書倭人章』『記・紀』『三国史記』などの文章は、

 すべて漢文で、漢字ばかりで書かれていますから、

 そこに出てくるすべての名詞は、万葉集のように、

 発音に合わせて漢字を当てた「当て字」ばかりです。

 「それが書かれた当時の漢字の正しい発音」をまず調べねばなりません。

 そうしないとそれらの名前の正しい発音がわからないからです。

 それがわかると、その発音のクセによって、それがどこで書かれたかがわかります。

 たとえば「大根」がその名だとしますと、

 関西人はダイコンかオオネといい、

 沖縄の人はダイクンかウフニといい、

 薩摩の人ならデコンかウネといい、

 大隅の人ならヂクンかウフネといいます。

 大隅も鹿児島県の中に入っているのに、

 薩摩側とは発音が違うのです。

 大隅語では鹿児島語と共通の部分と、

 沖縄語と共通の部分が入り混じっています。

 日本神話の舞台になっている「日向」は大きくみると南九州ですが、

 その中でも大隅か薩摩か沖縄かで「漢字で書かれた名」は、

 それが神様であろうが人間であろうが地名であろうが、

 すべてその地域がどこだったか正確にわからないと、正しく読むことができません。

 少しの間違いも許されないのです。

 また反対に名前の発音さえ先にわかれば、

 それだけで必要な地域を特定することができます。

 「ヤマタイコクはどこだ?……」と探す人たちは、

 まずこの発音の解明が必要で、

 これなしの説では意味はゼロに等しいのです。

 それなのに、これまで日本の歴史学者で、

 これに気づいた人はありませんでした。

 それでも日本の建国にかかわる古代史は、

 大半が『記・紀』の神話部分の中にあり、

 それはすべて日向と呼ばれた南九州地域が舞台です。

 そして天照大神の別名である「オオヒルメ」らが、

 「海に流される話」でもすぐわかるとおり、

 彼女が「海のまったくない奈良県」生まれだなどと思う人は一人もいません。

 それに続く『天孫降臨』でもニニギノミコトは「日向の霧島に天下ります」し、

 またそれに続く『海幸・山幸』も

 「南の海と鹿児島県の隼人町とが舞台」なのですから、

 どんなにコジつけが巧みな学者でも、

 それらを「日向神話」と呼んで、

 「奈良神話」などと呼ぶ者は一人もありません。

 ただ例外中の例外として、

 江戸時代初期の将軍家光時代に生まれた素人学者・松下見林が、

 邪馬壹(じおまいち)の「壹(いち)」を「臺(だい)」と間違えた上に、

 8世紀以後の発音で「ヤマト」と読んで、

 奈良が「邪馬臺(やまたい)国」だとこじつけた幼稚な説があります。

 しかし奈良を大和と呼ぶのは8世紀初めの元明(げんめい)天皇のときからで、

 その発音は「ウワ・オオワ」だったのです。

 それがヤマトと読まれるようになったのはさらに後のことで、

 3世紀にはヤマトと呼ばれていたのではありません。

  言語復原史学会
  言語復原史学会

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 《参考》
 古代時代の考古学の最新発見・発表・研究成果
 最新の考古学的発掘の方法
 存在価値が問われる我が国の発掘考古学の現状

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