2015年12月7日月曜日

百舌鳥大塚山古墳


  出典:保育社:カラーブックス:古墳―石と土の造形―森浩一著
     50~51頁

  《百舌鳥大塚山古墳》

  戦後破壊された最大の前方後円墳で、

  古墳の跡地には府営住宅がならんでいる。

  土木機械のないころであったので、

  数年間の破壊に併行して発掘だけはおこなうことができた。

  後円部と前方部に埋葬施設がそれぞれ一、

  遺物を埋める施設がそれぞれ三、

  計八の施設があった。

  埋葬施設は高野槙(こうやまき)製の木棺であり、

  銅鏡、玉、鉄製武器のほか、

  漆をぬった竹櫛がばらまかれていた。

  遺物ばかりを埋める粘土床には、

   武器・工具が主に埋められており、

  ここでも数百人を武装させられるほどの刀・剣・鉾があった。

  鍛冶道具の鉗や、鋸、斧、手斧なども、

  武人がたずさえたという広い意味の武器であろう。

  百舌鳥古墳群のうちでは、乳岡古墳とともに古い古墳である。

  「写真」破壊中の大塚山古墳:
           大阪読売新聞社・昭和30年撮影)

  「写真」百舌鳥大塚山の鉄製工・農具

      かなはし・手斧・斧・鋸・鎌



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