2015年9月18日金曜日

三味線


 ≪三味線≫

 三味線は江戸時代に

 沖縄の三線(さんしん)から改良されたものとされてきた。

 三本の弦をかき鳴らす楽器は世界中でも案外少なく、

 沖縄の向うの

 台湾、

 中国西南部、

 タイ、

 ビルマ、

 
 インドの一部、

 遠くとんでもモロッコにあるだけである。

 タイの山地民族のうち、リス族のものは大小あり、

 大は三味線と、

 小は三弦と棹の長さがぴったり一致する。

 アカ族のものは三線と一致して短い。

 歌口(うたぐち)も三つの穴だけで最も原始的である。

 その名前も始めは一つであったことがわかる。

 リス語のスブーとシャミ。

 カレン語のサンとサンシンは方言関係にある。

 曲も

 アカ族の<かごめかごめ>、

 リス族の<安来節>そっくりのものや、

 沖縄の”赤馬踊り”と同じ歌や

 伴奏の「マググヮー」という踊りがある。

 沖縄方言で「マググヮー」といえば

 「孫子(まごこ)」のことだが、

 リス族のそれも子孫の繁栄を祈るものである。

  三味線は江戸時代よりもはるかに古い時代に

 <かごめかごめ>の古謡や、

 <安来節>などの民謡と一緒に、

 日本へ入ってきていたことがわかる。

 三味線の仲間と焼酎は、

 沖縄、

 台湾山地、

 タイ山地、

 雲南(ゆんなん)、

 ビルマを越えてインドに入り、

 モロッコにも飛ぶ。

 そこには必ず焼酎の仲間も、

 不思議なほどにセットになって分布している。

  ※出典:加治木義博
     「日本人のルーツ・保育社(カラーブックス):10頁」
      「焼酎入門・保育社(カラーブックス):118頁」

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