2012年2月23日木曜日

マレー語に関する章(8)



 《日本語~マレー語:分裂対立していた共通語

 <アイ>は『魏書倭人章』に「噫」とある。

 有る、在らぬは万葉に多出する。

 歩くは万葉。<以下、( )に万とする>)

 粗(あら)(万)

 荒海(万)

 天津(記紀万)

 あぐ(万)

 麻(万)

 振る(万)

 力(記紀万)

 つかむ(万)

 攻む(紀)

 せめく(字鏡、名義抄)

 千鳥(万)

 つつく(記紀)

 つけ=調(つき)(記紀万)。

 近(記紀万)

 ええっ(記)

 えらく(万)

 御主(紀)

 からい(紀)

 暗う(紀)

 浜(記紀万)

 払う(万)

 鄙(ひな)(万)

 行く(記紀万)

 帰る(万)

 イサチる(記紀)

 良からぬ(万)

 去る(万)

 九十余語のうちの約三分の一、三十語ほどしか見当らない。

 もっと詳細に行なえば多少の増減はあるが、

 この大数が、それほど変るものではない。

 これは明らかに、

 万葉時代の日本語は、マレー語は含むが、そればかりでなく、

 他の要素が別に実在したことを物語っている。

 物事を深く考えない人は、ここでマレー語は借用語である。

 と結論を出してしまいたいところであろうが、

 果してそれでいいだろうか?

 まだまだ考えなければならないものが残っているはずである。

 まず、残りの三分二の共通語は、

 万葉以後に日本語に入ったことになる。

 ということは、

 漢字と同じように、

 マレー文字が大量に、日本へことばを運んできた、

 ということになるのだが、一体そんな事実があったのであろうか?

 私たちの知る限りでは、

 日本にはマレー語の古文書など残っていない。

 マレー文字がどんなものであるかさえ知っている人はほとんどない。

 しかも、間違いなく、

 万葉時代以後に加わった大量のことばが実在する。

 この謎をとくためには、残りの三分の二の観察が必要である。

 各語の特徴といえば、方言型がみられたことであった。

 それを念のため、各語に附記して行こう。

 現在標準語化しているものは空白のままとするが、

 その語が、

 ある方言から出ていることが明らかな場合は、

 その方言名をいれて区別した方が手がかりが多くなる。

 また方言名は、できるだけ簡噸化して、全体が見やすいようにした方がいい。


 武=武家語

 幼=幼児語

 東=関東弁

 西=関西弁

 和=和製漢音語

 南=南日本弁

 沖=沖縄弁

 ?注意を要するもの


 あれへ(武)

 ばっちい(幼)

 坊や(東)

 番外(和)

 べちゃつく(西)

 ベラ(南)

 バット(南)

 ぶらり(南)

 ぶるぶるがくがく

 ぼろい(西)

 不恰好(西、和)

 ちょびっと(西)

 辛か(南)

 ちょろまかす(西)

 ちょっと、好かん(南)

 黙いやん(南)

 談判(和)

 …で

 黙れ

 ジンキ(<悋気>)(南)

 どおぞ(南)どお

 ツラ(〈面>)(南)

 ずるい(南)

 いじった(西、南)

 ウンチュ(<御主>)(沖)

 雛=女性(?)

 カタ(<抵当>)

 カラ(<空>)(南)

 我慢(和)

 がみがみ(南)

 カンカン(南)

 がんたれ(南)

 がしんたれ(西)

 かろい籠(こ)(南)

 苦労(和)

 頑張る(南)

 拳骨(和)

 錐

 飯場(西)

 半端(西)

 おはん(南)

 はんつ(西)

 はつ(<鉢>)(南)

 ひまつ(<始末>)(南)

 鼻糞

 行こまい(西)

 いのう(<帰ろう>)(西)

 十六夜(いさよい)

 邪悪(和)

 矢来

 やる(南)

 掠う(南)

 去っ(南)

 じやち(<だとサ>)(南)

 ずばー(南)

 ジェジェー(南)

 辛れえ(東)

 自若(和)

 じろい(南)

 じやが(武)

 ちょいと(東)

 ジュジョな(南)

 一見して特徴的なのは、非常に<南日本語>が多いということである。

 これは、ごく大まかな分類で、正確には、

 他の表記のものも南日本語中に含まれているものが大半であるから、

 これは、

 南日本に、万葉人以外のマレー語人が存在した、と考えるほうが、

 仮空のマレー文字や、マレー文書、借用語の大群を考えるよりも、

 はるかに合理的である。

 私たちはもうすでに<倭国>と<日本国>が二つの別の国であり、

 唐書以後合併して一つの<日本国>として扱かわれるのを見た。

 この一方が<万葉国>であり、

 他方がこの<南日本方言国>であったと考えると、

 言語の合体も、別に不思議ではなく、

 むしろ当然のことであって、

 この事実に気づくのが遅すぎた、

 といわねばならないほどである。

  言語復原史学会
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 《参考》
 古代時代の考古学の最新発見・発表・研究成果
 最新の考古学的発掘の方法
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